アチェ津波博物館

2013年9月5日、アチェ津波博物館を訪ねた。設計はインドネシアの有名建築家が手がけたそうだ。日本人にとってはいろんな意味で驚くところがある博物館だろう。
まず入館したら、真っ暗な下りのアプローチを下っていく。広くない通路だが、両脇を高い壁に挟まれ、そこに水が流れている。近代的ビルで見かけるような人口滝に両側を挟まれた通路。歩くとひんやりと涼しいが、真っ暗で、これは津波の中を疑似体験するコンセプトであるとわかる。厳粛な気持ちになるというよりも、私としてはかなり緊張した。暗いのと、水しぶきが気になり、撮影はしなかった。
その後、被災状況を紹介するコーナーを経て、映像にあるイスラム教にのっとったメモリアル施設へ入る。津波被災とイスラム教は、アチェで様々な関連づけが見られるが、ここではふれない。
その後が、いわゆる一般的な博物館展示である。メンテナンスが十分でなく、様々な体験機器などが壊れた状態だった。
地元の若者が記念撮影をしていたジオラマは、かなり露骨で、日本では認められないものだろう。
文化や慣習の違いをふまえて、この博物館の展示を見るべきだか、西海岸で取材した中年の地元の人でも、悲しみを思い出すので博物館には行きたくないと言う人がいた。
当たり前のことだが、絶対に正しい展示やメモリアルの方法があるわけではない。


※映像には、被災に関して露骨な展示内容も含まれますので注意下さい。