植民地主義

2010年8月22日、豊島公会堂での日韓強制併合100年・日韓市民共同宣言大会に行った。韓国・朝鮮に関わる撮影は久しぶり。だいぶ前だが、日韓の高校生交流をテレビ番組にした。不本意な出来栄えだった。言い訳はしない。
今日の大会では、植民地支配の精算という主張が強く出ていた。植民地主義への批判という論点は、単に日韓の関係性を二国間で論じるのではなく、世界の中で論じることだ。これは、ありがちな二国間の関係に閉じた枠組みから一歩踏み出している。
植民地主義は残忍なものだ。欧米列強が植民地支配を拡大していた時代、国際関係は残忍なものだった。今もそうかもしれない。日本も同列。
地球上で、情報の共有や人間の移動が進むと、極度に不均衡な関係や、一方向的な残忍さは徐々に許されなくなる。これからは、もっとそうなっていく。
大会の内容は報道されるだろうが、ここでは沢さんの歌をあえて紹介する。韓国・朝鮮語と日本語の両方で歌っている。

パキスタンとインドの関係に関して

パキスタンとインドの関係に関して参考になる記述があった。
「インドにとってもイスラーム主義急進派は警戒すべき存在であり、パキスタンイスラーム主義急進派のインド侵入を阻止するための防波堤として…必要悪の国なのである…つまり、パキスタンはインドにとって一種の緩衝国であり、パシュトゥーニスタン該当地域はアフガニスタンパキスタンとの緩衝地帯である」
深町宏樹 「アフガニスタン情勢の展開とパキスタン
http://www.ide.go.jp/Japanese/Publish/Books/Extpub/010.html

パシュトゥーン部族地域の存在は、インドにとっても、西方イスラムに対する緩衝地帯であるということだ。宿敵同士の印パ両国だが、全てにおいて利害が不一致というわけではない、ということだ。

タリバンとは何か

アフガニスタン現政権がタリバンとの和平に乗り出したのが公然化。タリバンとの和平は現政権の都合でもあるが、米国の撤退予定・出口戦略から「逆算」されたもの。いわば、米国の都合の産物でもある。はたして和平は、アフガンの安定化と復興のためになるのか。
タリバンとの和平や、アフガン安定化の問題を考える上で重要なのは「タリバンとは何か」ということだ。そもそもどんな相手と、どの範囲の相手と、和平をするのか?和平の是非は別にしても、そこは重要なポイントだ。
タリバンによる無差別テロ、人権侵害は明白だが、「敵を単純化」するのではなく、冷静に分析することは重要だ。なぜなら現在パンジャビー・タリバンなど、パキスタンで様々なタリバンが跋扈している状況は、タリバン=「辺境の無知蒙昧な原理主義者」という単純化した見方では説明できないからだ。
たとえば、アルカイダとの区別は、米国も持ち出している論点だが、その上に、部族文化、地域事情、ムジャヒディーン、イスラム教等々の様々な「分析軸」がある。このような軸を押さえ、タリバンとは何なのか、冷静に見極めることが、アフガンの安定化と復興へ向けた足がかりとなる。

ジャズ・ヒケシ:動画

2010年5月8日、ジャズ・ヒケシ@Naked Loft伊勢崎賢治(Tp)、中島弘恵(P)、松岡俊輔(Bass)、安永春美(Ds)。
ジャズ演奏とディープなトークのイベント。戦争や紛争について、伊勢崎賢治、マエキタミヤコ、鈴木邦男トーク。いろいろ、興味深い話を聞けました。
1本目のビデオ、戦争をやっている自覚、自衛隊の派兵についてなど。
2本目のビデオ、「普天間問題の本質は国内の差別問題」と伊勢崎さんは言っています。
本土で「海兵隊の基地いらない」と言うなら、同時に「沖縄から撤去せよ」と言えなくては恥ずべきことだ、ということですね。逆に「海兵隊の基地が必要」なら、本土の人間としては「自分が住んでいるところに持ってくる」覚悟が必要ということ。