ルレナバケの日系人ミツコさんについてルーツ調査開始


ボリビアのルレナバケでひとりの日系人に出会った。
ミツコ・ワタナベさん(53)は、子どもの頃、ベニ河下流のリベラルタに住み、日本人のお父さんは、理髪店をやっていたそうだ。現在は、ルレナバケで暮らしている。既にお父さんは死去、5人きょうだいは各国にバラバラで音信不通だそうだ。
詳しく話を聞いていて、ピンときた。
少し前に読んだ『アンデスを越えた日本人』(向一陽中公新書1980)に、著者がリベラルタを訪問時、日系人が営む木賃宿に泊まり、そこは理髪店も併設していたと記述があったはず。ミツコさんに確認すると、やはり、宿もやっていたそうだ。
ホテルに戻り、本を確認した。
宿を営んでいたのは、渡辺信義さん、当時54歳。宿の名前は「アポロ11」。2室の木賃宿、併設された理髪室にはイスひとつ。
その本の著者がリベラルタを訪問したのは73年。渡辺姓で宿を営む日本人は、当時のリベラルタで彼だけだったようだ。年齢的にもミツコさんの父親に近い。渡辺信義さんの出身は、大分県西国東郡大田村(現在の杵築市)とあった。
日本帰国後、ミツコさんの意を受けて、彼女のルーツ調査を開始した。